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追悼 火田詮子
劇団に衝撃が走った。
詮子さんが亡くなったと!?
福井公演の場当たりの最中に「脳機能停止」が伝わった。それでも、まだ呼吸している。その一縷の望みに、みんな詮子さんの生命力を信じた。そう、間違いなく帰って来ると。
しかし……
クセックと詮子さん!
詮子さんはいつから参加だって?
そんな数字を辿るのももどかしい。
一言で言えば、ずーっとだ!ということになる。それがクセックにとっての詮子さんの存在。福井で祈った詮子さんの生命力。今もまだみんな信じているから戻ってくると思う。メールで「稽古に少し遅れる」のメッセージが届くことを。そして、「あはは、またまたご冗談を……」と笑って応える詮子さんがいる。
劇団からの追悼文です。
車椅子に乗って詮子さんが逝く
田尻陽一
名古屋公演の打ち上げでボクの横に座り、ザーサイを肴にノンアルコールビールを飲んでいた詮子さん。たわいもない会話だったが2時間、傍にいた。それが最後だった。
『アラバールからの愛の手紙』もよかったが、詮子さんしかできない舞台といえば『ラ・セレスティーナ』だろう。町中を歩きまわり男女の仲を取り持つセレスティーナが車椅子に乗ったのでは、身体を自由に舞台上で動かせない分、セリフを舞台に立たせ意のままに行き来しないといけない。スペイン公演でも絶賛された。
そういえば『ドン・キホーテ』の語り部もよかったな。『ドニャ・ロシータ』を詮子さんで再演したかった。
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